四十肩・五十肩とは
原因が特定できない肩関節の痛み、肩関節の可動域制限がみられるという場合、四十肩あるいは五十肩が考えられます。なお四十肩・五十肩とは一般的な呼び方で、診断名としては、肩関節周囲炎となります。
原因についてですが、肩関節を構成する部位(骨、軟骨、靱帯、腱 等)の老化や筋力の低下によるものとされ、肩の筋肉や関節包等に炎症が起き、それによって運動痛がみられるようになります。また運動痛だけでなく、夜中の安静時に眠れないほど肩にズキズキした痛みがみられることもあります。
なお四十肩・五十肩は、3つの病期(炎症期、拘縮期、回復期)があるとされ、それぞれ症状が異なります。炎症期は、運動痛などの痛みが強くなっている状態です。これが発症から2週間程度続きます。次の拘縮期になると痛みは抑えられるようになりますが、肩関節の動きが悪くなって、可動領域が狭くなっていることが多いです。発症から半年程度続きます。その後(発症から半年後くらい)は回復期へと移行し、無治療だったとしても、だんだん肩が動くようになります。
検査について
肩関節周囲炎と診断されるには、肩関節の周囲等に異常がないことを確認する必要があります。そのためにX線撮影(レントゲン)、MRIなどの画像検査を行います
治療について
病期によって治療内容は異なります。先にも述べたように自然と治癒することもありますが、何もしなければ関節が癒着して動かしにくくなることもあるので治療を行うようにします。
炎症期は痛みが強い状態ですので、鎮痛薬の内服や湿布などの外用薬などを使用します。拘縮期では、痛みが出ない領域まで関節を動かすなどリハビリテーションを行っていきます。また回復期に入ると痛みは軽減されているので拘縮改善が目的となります。この場合、自動運動や関節可動域訓練が中心となります。