ニキビ

主に思春期に発生する皮膚疾患で、正式には尋常性ざ瘡といいます。思春期になると男性ホルモンの一種であるアンドロゲン（女性にも分泌されます）の分泌が亢進し、これに伴って皮脂の分泌も過剰になります。そして皮脂によって毛穴は閉塞し、毛穴の中で皮膚の常在菌であるアクネ菌は増殖するようになります。このような過程をたどると、やがて炎症を引き起こすようになり、赤いブツブツなどがみられるようになります。これがいわゆるニキビです。

なお皮脂が過剰に分泌しやすい部位には、顔面をはじめ、胸部や背中などがあります。これらで、赤い丘疹（ブツブツ）、膿が混じったかたまり（膿疱）、のう腫、結節などがみられるようになります。なお同じ部位で炎症を繰り返すなどすれば、治癒後にニキビ跡（瘢痕）が残ることもあります。

なおニキビは、思春期を過ぎた成人期に発症することもあります。この場合、不摂生な生活習慣（偏食、睡眠不足、ストレス、過労 等）によって発症するようになります。そのためスキンケアも欠かせませんが、さらにライフスタイルを見直すことも大切です。ただ大人といいましても青年期に現れることがほとんどです。

炎症のあるニキビにつきましては、その部位に対して抗菌薬の外用薬を塗布します。重症化している場合は、抗菌薬の内服薬も使用していきます。ニキビのできやすい部位（おでこ、ほほ、あご等）についてはニキビができにくくなる外用薬（アダパレン等）もあるので、定期的に外用していくことも重要です。このほか、1日1回の洗顔（洗い過ぎはかえって逆効果）、規則正しい生活に努める等も行っていきます。